コラム
ピンポンダッシュというイタズラを皆さんはご存じですか?建物のチャイムを鳴らして逃走するという、なんともくだらないものです。幼い頃にこれをやってしまった経験を持つ人も多いかもしれません。
しかしこのピンポンダッシュ、子どものイタズラであるケースが多い、あまりにしつこく悪質化しているパターンも存在します。ピンポンダッシュは犯罪であり、訴えれば罪に問えることもできます。
そこで今回は、ピンポンダッシュに悩んでいる人は、どこに訴えればよいのかをお伝えします。また、対処法や防止策についてもご説明していきます。
ちょっとしたイタズラのイメージが強いピンポンダッシュですが、実はこの行為は迷惑防止条例違反や住居侵入罪、偽計業務妨害罪といった犯罪行為に該当します。
ピンポンダッシュをおこなった結果、住居侵入罪で訴えられる可能性が非常に高いです。もし仮に、住居侵入罪が適用された場合は、3年以下の懲役、もしくは10万円以下の罰金になります。
また、あまりに繰り返しおこなっていた場合は、悪質な行為とみなされて迷惑防止条例違反に問われる可能性が高いです。さらにその悪質な行為によって、住人が精神的なダメージを負った場合は、傷害罪が適用されることもあります。
もしも傷害罪が適用すれば、15年以下の懲役、もしくは50万円以下の罰金になります。ちなみに、ピンポンダッシュをおこなっていたのが14歳未満の場合は、法律上は責任能力がないとされるため犯罪行為にはなりません。
ですが、刑罰法令に抵触するような行動をとっていた場合は、たとえ14歳未満であっても触法少年として家庭裁判所から保護処分を受ける可能性があります。決して罰が無いわけではありません。
ピンポンダッシュに悩まされている場合、どのように対処すればよいのでしょう?
ピンポンダッシュされていると思ったら、実は誰もチャイムは押しておらず、インターホンが故障していただけだった!というような可能性も決してゼロではありません。インターホンは故障した場合、勝手に鳴ってしまうこともあるので、一応調べてみることをおすすめします。
ピンポンダッシュをおこなうことが多いのは小学生だと思われます。もしも犯人が小学生だった場合は、低学年の子なら、これはやってはいけないことなのだと諭すようにしてあげましょう。
ですが、相手が高学年だったり、ましてや中学生だったりした場合は、本人に諭すより学校関係者に連絡をすることをおすすめします。また、何度か諭したけれど、それでもピンポンダッシュをする場合も同様にすることが望ましいと思われます。
このほか、犯人が子どもということ以外の特定が難しい場合も、近隣の学校に連絡して、注意するようにして欲しいとお願いするのもひとつの手です。学校のクラスや集会で指導や注意をおこなってもらうことで、犯人を委縮させ、行為をやめるかも可能性があります。
学校に連絡しても被害が減らない、大人による悪質な嫌がらせのケースならば、迷わず警察へ連絡しましょう。犯人が子どもの場合、学校に連絡して注意もしてもらったのに一向に被害が減らない場合は、警察に保護者といっしょに厳重注意してもらうのも手です。
犯人が大人である場合は、不審者による被害ということで警察に相談しましょう。容疑者を特定できれば、厳重注意をおこなってもらうこともできますし、傷害罪や偽計業務妨害罪が適用される場合は、罪を問うことも可能です。
ピンポンダッシュの被害に遭わないようにするためには、どのような処置をすればよいのでしょう?
短絡的な方法かもしれませんが、インターホンの電源を切ってしまえば、ピンポンダッシュに悩まされる心配は無くなります。ですが、インターホンが鳴らないということは郵便や配達なんかの人の来訪にも気づかなくなる可能性があります。
そのため、インターホンにチャイムが鳴りませんなどの張り紙をしておきましょう。そうすれば、用事がある人は、玄関でノックなり呼び出しなりをしてくれると思われます。
監視カメラを設置するのは、ピンポンダッシュ防止のみならず、ほかの犯罪への抑制にも繋がります。しかし、実際に防犯カメラを設置するのは、手間や費用を考えると簡単なことではありません。
そこで、防犯カメラが作動していますというサインだけでも出しておくと、実際にはカメラを設置していなくても、ピンポンダッシュぐらいなら抑制できる可能性が高いです。
ステッカーを張るだけでは、抑止力としての効果が薄いと感じる場合は、人勧センサーライトや防犯カメラのダミーを設置することで、あたかもセンサーが働いてカメラで撮影していますよ、という風に相手に捉えさせることができます。
人勧センサーライトやカメラのダミーはネットやホームセンターなどで安価に手に入れることができるため、コスト面でも優秀な予防策です。
ピンポンダッシュを抑制する方法として、録画機能が付いているインターホンを設置するという手段もあります。
インターホンの録画機能は、ピンポンダッシュをおこなう犯人をけん制することが出来ます。また、仮に犯行がおこなわれたとしても、録画されている映像や画像を証拠として使えるので、警察や学校への相談もしやすいでしょう。
電源プラグ式のインターホンや乾電池式のインターホンであれば、自分で交換することもできます。基本的にネジを緩めて本体を外し、チャイムコードも取り外します。その後、新しいインターホンの本体にチャイムコードをとりつけて、本体を壁などにネジで固定すれば完了です。
ですが、電源に直結しているタイプのインターホンや、住宅のほかの機器と連動しているタイプのインターホンは自分で交換しないでください。これらの機器は電気工事士の資格がないとできないものであり、専門知識が必要とされます。
録画機能付きのインターホンを設置するための費用の相場は、だいたい数万円ほどになります。それなりに高額にもなりますし、少しでも費用を安くしたいですよね。
その場合は、業者の比較サイトや複数の見積りをとって比べてみるなどして、少しでも安い業者に依頼するようにしてみることをおすすめします。
ただし、費用を安くすませたいからと、見積りなどに記載されている内容に不透明な部分が多い業者にお願いしないように注意してください。不透明、不明瞭な内容がある場合は、順番に業者に説明を求めるようにして、その業者が信用できる業者かを判断しましょう。
ピンポンダッシュについてご説明してきましたが、いかがでしたか?ピンポンダッシュは子どものイタズラのイメージがありますが、場合によっては重めの刑罰も考えられる犯罪行為に繋がります。
ピンポンダッシュに悩まされている場合は、犯人が小学生や中学生の可能性が高い場合は、近隣の学校などに相談するようにすることをおすすめします。
また、学校に注意や指導をおこなってもらっても、状況が変わらない場合や、大人が犯行をおこなっている可能性が高い場合は、迷わず警察に連絡しましょう。
犯行防止には、防犯カメラ作動中などのステッカーや、ダミーカメラを使うことで、簡単ながら高い防止効果が期待できます。また、コストこそかかりますが、録画機能付きインターホンを設置するのもひとつの手です。
抑止効果も期待できますし、仮にピンポンダッシュがおこなわれても、映像や画像が残るため証拠として機能し、犯人の特定がしやすくなりますよ。